「はぁ!?」

「…。」


光くんには好きな人がいることは伏せて、私は彩に光くんを諦めると宣言した。
もちろん、彩はそれを聞いて驚いた、ていうか怒ってる。

「急になんなのよ!最近戸部山くんの話聞かないと思ったら…。」

「いいじゃん。もう、いいよ」

私は立ち上がって、教室を出た。
屋上に駆け上がり、フェンスによりかかる。

人生初のサボり。

「私には諦めるっていう選択肢しかなかったんだよ」


光くんの話を聞いてもう2週間。
私は話を聞いた翌日から光くんを避け始めた。
別の車両に乗り、時間を遅らせた。

それは、気持ちの整理をつけるため。
光くんの話を聞いた瞬間に私の初恋は幕を閉じ始めていたんだ。

あんな表情の光くんはみたことない。
…邪魔したくない。
…邪魔できない。

だから、きっぱり諦める。


日和ちゃんはというと、優くんから全て話を聞いたそうだ。
そのあと、ちゃんと告白して、ちゃんと振られてきたよと、つい先日可愛い絵文字つきでメールが送られてきたのだ。