日和ちゃんは苦笑いして、1番線に到着した電車にかけ乗った。


ドアが閉まって、日和ちゃんは電車が走り出す直前まで手を振ってくれた。


…私は。
余計なことを言ってしまった。


自分の恋なんてろくに進展しないくせに、他人の恋に首を突っ込む。


野次馬。
自分にはそんな言葉があってる気がした。


携帯を開くと、丁度携帯の時計は6時ぴったりを指している。


…早く戸部山くんのお見舞いに行かないと。

急いでホームをかけ上がり、戸部山くんの家を目指す。


戸部山くんの家は戸部山医院のすぐ近くにある一軒家。


方向音痴な私も、覚えやすい場所に在って助かった。


家の前まできて、インターフォンを押す。


『はい、どちら様ですか』


インターフォンに出たのは優しい低音の女声。


戸部山くんのお母さんだ。


「高野瀬です。戸部山くんのお見舞いに来ました」


『あら、希凛ちゃん!?待ってねー今開けるから。』


インターフォンが切れると、ドタバタと家の中から走ってくる音が聞こえた。