｢やってみなくちゃ。｣


｢…でも優くんは好きな子がいる!!私はその幸せを願って…｣


｢そんなの優くんが日和ちゃんのために諦めたことと同じじゃない！｣


言ってすぐに私は口を押さえた。
日和ちゃんは目を見開いて私を見つめている。


しまった。
口を滑らせた。


｢諦めた…？優く…矢杉くんが？｣


｢…ごめんなさい。私は…優くんと日和ちゃんの過去を優くんに聞きました。｣


｢私と矢杉くんが幼なじみってことも？矢杉くんが…諦めたって…｣


｢ごめんなさい、私の口から言うべきじゃないと思う。先に言い出しといて今更だけど…優くんのことは優くんに直接聞いた方がいいかもしれない｣


私がそういうと、日和ちゃんは立ち止まって私を見つめた。



｢……ごめん、日和ちゃん。私、お節介だし、優くんの話も興味本位で聞いたんだ。ごめん、優くんに余計なこと言って｣


｢…ううん。希凛ちゃんは悪くない。…ごめんね、お菓子の詰め合わせは希凛ちゃんにあげる。このフルーツは戸部山くんに渡しといてくれるかな。…誘っておいて悪いけど、私、帰るね。｣