「で、今は好きな子が新しく出来た。」


「で、でも、何で日和ちゃんへの想いを断ち切ることが…」


「最初は、親友が死んで、密かに日和を想っているのは裏切りだって感じて断ち切ろうとした。…でも、日和を好きだと知ってた母さんはそれは間違いだと教えてくれた。そのあと、親友の墓に日和が好きだと報告に行った。」


「そのまま好きなままでいられなかったの?」


「…よくわかんないけど、自然に友達って距離がちょうどいいって思った。一度そう思ったら、なんか恋愛対象に見えなくなってさ。」



「…。」



「日和が俺の事を好きなのは知ってる。でも、答えられそうにはない。」


優くんは涙を流す私を見て驚いたように私の涙を拭った。


日和ちゃんの気持ち。
優くんの気持ち。


どちらも私は大切だと思えて、結ばれないのが、悔しいって思った。


「希凛が泣くなよ。」


「だ、だって…」


「告白を断ったことは後悔してないし、あれは好きだから、やったんだ。好きだからこそ、あの選択をした。」