やっぱり、私、戸部山くんが好きなんだと実感した。

笑顔を見ただけで胸が熱くなるなんて今まで感じたことない感覚。


知らなかった戸部山くんの″顔″が、段々とわかってきて、もっと知りたいと思う。


これが、恋、なんだ。


「希凛ちゃん?おーい。」

「えっ」


「レントゲン室、ついたから、こーくんが、希凛ちゃん降ろしますよー」


ハッとして、戸部山くんを見ると、戸部山くんは苦笑いでこちらを見ていた。


あ、私考え事し過ぎて、レントゲン室ついたこと知らなかったのか。


ていうか、戸部山くんの苦笑いの理由は、きっと戸部山くんも必死に私に呼び掛けたのに、舞さんの声で私が気づいた事だろう。


ごめん、戸部山くん。


そう、心の中で戸部山くんに頭を下げた。


「降ろすぞ」


戸部山くんはゆっくりしゃがみ、私は舞さんの手をかりながら立ち上がった。

戸部山くんは、ゆっくり立ち上がり、大きく伸びをした。


よっぽど私が重かったんだろう。


そんな戸部山くんの姿を見て苦笑いした。