ぼんやりと考えて1日を過ごせばあっという間に放課後。
結局彩にも戸部山くんが好きなことを言えないまま。

「はぁ…」

無意識に何回もため息が漏れて、何がなんだかわかんなくなってしまう。
…恋愛って、難しいな。

私、何もしてないけど。

「希凛ー、あたし茜に当番頼まれちゃったのよねぇー…図書委員」

「あー…うん」

「先帰ってて」

「うん、じゃ」

「…あ、それと希凛。恋愛は悩むより行動だよ」

彩はそう言い残して、教室を出ていった。
…ってバレてるじゃないですか…。

「行動…ね」

机の横にかけてあるバッグを肩にかけた瞬間、バッグがブルブルと震えた。
急いでバッグのチャックを開くと、携帯のイルミネーションがピカピカ光っていた。

取り出して、携帯を開けばメール。
宛先は…宮野日和。

宮野さんから…。
初めてのメール。

受信トレイを開くと、シンプルに綴られたメールがそこにあった。

『宮野日和です。ちゃんと届いてるかな?』

届いてるかな?って…。
別の人に届いてたらどういうつもりなんだろう。
プッと笑いが溢れる。