「優くんは好きな子いないの?」

「俺?いない。いまのとこ」

「そっかー…。」

「ま、でも恋愛経験はちょっとあっから、相談には乗れる。」

「本当!?」

「うそつくかよ」

優くんは笑って、私の隣に腰かけた。
…3人では無理かもだけど。

こうやって相談できる仲間がいるっていい。

「それに光は俺の従兄弟だし?なんでも知ってる」

「…おぉ」

「ま、困ったことありゃ、言えよな。」

そう言って、優くんは空を見上げた。
私は頷いて同じように空を見る。

どんなことが待っているかなんてわからない。

戸部山くんに恋をした。
きっとそれに意味があるから。

___この日、私の初恋は幕を開けた。