「…じゃ、宮野さんと一緒にいた戸部山くん見て胸が痛くなったとか、優くんに好きか聞かれて動揺したってことは…好きってこと？」

「うん。逆にそれで好きじゃねぇっつーほうがおかしい。」

「…じゃ、私は戸部山くんが、好き…」

「そゆこと。」

急に自覚すると、頬が熱くなる。
…私、どこが好きなんだろ。

まだ、戸部山くんのことなんにも知らないのに。

知らないのに好きになるなんて事、出来るんだ。
恋って不思議なものなんだろう。

「ってことは、希凛の好きな人知ったの俺が1番？」

「っあ」

「おっしゃー。女子の恋自覚する瞬間見れるとかめちゃくちゃレアだわ」

「なんか…その言い方嫌だ」

「いや、マジだって。レアすぎ。俺なんか中学ん時、女子に近寄られてこなかったし。」

「はは。」

なんか、いいな、こういうの。
彩にも、このこと話して…。

3人で恋の話できたらいいな。
…なんて。
優くんは男子だからさすがに嫌がるだろう。