『カナ。カナ。』
また、聞こえる。
最近よく聞くなぁ、この声。
『カナ。あたしね…。』
どうしたの?
『カナに忘れてほしくない。』
………私は、忘れないよ。
何度もあなたに言ったでしょう?
『でもね。』
うん?
『カナに…
苦しい思いはしてほしくないの。』
…なに、急に。
『カナ。あたしは…
カナに笑っていて欲しいよ。』
笑ってるじゃない。
別に、苦しいなんて、感じてないよ。
『あたしは…カナに…もう1度…。』
まただ。
また、最後の言葉が聞こえなくなる。
何を言ってるのか、分からない。
鈴…。