「着いた。ここ。」 葉月君がその長い脚を止めたのは、 駅前から歩いて約10分程経った頃だった。 「ここが葉月君の所属事務所?」 「まぁ。」 目の前に建っている建物は 定期的に整備されているんだろう、 目立つ汚れは無くて、 綺麗な建物だった。 ………何だろう、嫌な予感。 私の勘は当たらないから大丈夫だよね。 「入るよ?」 「うん。」 葉月君と、中に入った。