「あなた方が?」


廊下にかすかに響く吉佳さんの凛とした声。


あの部屋だ。


少し開く扉から吉佳さんの声が聞こえる。


よかった〜。

吉佳さんにみんながいる場所を聞こ!!


そう思って扉に手をかけたのだが.....


「.....っ。」


入れない空気だ。


部屋の中には二つの大きなソファーが机を挟んで置いてある。

そこに座るのは吉佳さん。

向かいのソファーに座るのは男の人と女の人。


「はい。私が千尋くんの母です。」


「っ!!?」


衝撃発言!!


女の人の台詞に驚いて顔を歪める私。


嘘でしょ?

千尋くんのお母さんって吉佳さんじゃないの?

確かに千尋くんと吉佳さんは似てないけどさ....。


衝撃発言をしている女の人はとても可愛らしかった。


ん〜。

千尋くんと似ていないこともないけどな〜。


そしてその隣に座る男の人は....


「.....っ。」


似ていた。

千尋くんにそっくりだ。


あの目も鼻も、何もかも。


あそこに座っているのは大きくなった千尋くんのようで....