気配もなく唐突に、うさぎの瞳が景時の視界を塞いだ。


「目を閉じろ。
妾に見えるものを、そなたにも見せてやろう。」


喉まで出かかった心臓をなんとか飲み下して、近づく美しい顔に反射的に目を閉じると、瞼に触れる温かく柔らかいナニカを感じた。


「?!?!?!/////!!
今のって??!!」


景時が取り乱し、思わず出した大声に反応したのは…オニだ。


「ガアァァァァァァ!!」


一番手前にいたオニが鋭い爪を振りかざし、跳躍した。

うさぎは身軽に、景時は慌てふためく僧の襟首をひっ掴んで、左右に飛び退いた。


「若!」


「阿呆が。」


「ごめーん。」


ゴングが鳴ったようだ。
バトルスタート。