「あら?
多くない?」


すぐそこに、僧に一撃を食らわせたであろうオニ。

電柱に登り、こちらを見ているオニ。

隙を窺うように、植え込みに隠れているつもりのオニ。

その向こうに、街灯に照らされて蹲る…オニ?

膨れ上がる躰に、それでもまだパジャマらしき衣類を纏い、灰色がまだらに混ざる手で額を抱えて震える様子は、盛り上がる角を必死で押し留めているようにも見える。


「アレは…」


「鬼寄せじゃ。
だが、魂を闇に染めながらもまだ抗っておる。
それ故時が経ちすぎて、闇どころか小鬼まで引き寄せたようじゃな。」


景時は、いつ襲いかかってくるかわからないオニたちを睨みつけたまま、唇を噛んだ。


「そんなに闇が深いなら…
もう狩るしか…」


「そなたに狩れるのか?」