あれから、真琴は私を引きとめる。
きっと叶いもしないのに

「水谷!元気か?」
「元気だよ(笑)毎日聞くなし!」
毎日のように私を気にしてくれて
私はいつの間にか好きになってたかもしれない。

だけどあの時の私はやっぱり慶太しか
見えてなかったのか、真琴をちゃんと想えないからと必死に気持ちを抑えてたかもしれない。


そして卒業まで一週間。
ある帰り道だった
後ろには少し疲れた慶太が歩いてて

「慶太!!」
「...ん?」
「もうすぐ卒業だね!」
後ろにいる慶太に大声で叫ぶ。

「うん(笑)早いね。」
「慶太!大好きだよ!返事待ってる!」
そう言って走りだした。

次の日。
家を出ると慶太が待ってて 
「おはよう。返事したくて」
「うん。」

無言なまま二人並んで歩いた。
きっと最後の二人での登校。

「水谷。俺やっぱりお前とは友達でいたい。付き合うとか考えられない。」
分かってたけど、言われてみるとつらいもんでだけど笑顔で言うんだ!

「だよね!ありがとーちゃんと考えてくれて~友達が一番だよね(笑)」
「ごめん...」
「謝んないでよーあとさ、16になったら付き合う約束は終わり!」
「うん...」
「そんな想い女になりたくないもん!(笑)」
「了解。」

そんな会話をして終わった。
私の初恋(笑)
苦しくて悲しくて
胸がいたかった思い出。

そして卒業!
私は遠い高校に行くから
同じ学校の人とは会わなくなる。

「さあ~帰るか。」
「真季~行かないでぇ~(泣)」
今だに泣いてる未優。

「ほら、しっかりせい!高校生でしょ!」
「だって~」
「太一は?」
「一緒に帰る(照)」
「ならいいじゃん!帰る!元気でね?」
「うん...真季も幸せでいてね!てか、帰ってこないとか許さないから!」
「はいはい(笑)ほら、太一待ってるよ」

太一が私と未優の方へ歩いてくる。

「未優。帰ろう。」
太一が静かに言う。二人は幸せでいいな...

「うん。太一。」
未優が幸せそうに駆けて行く。

「水谷!」
「なんだよ(笑)」
「未優の事大事にするから。」
「末永くお幸せに(笑)」
太一に言って歩きだす。

その時。
手を掴まれた。ふいの事でバランスを崩した。
引っ張ったのは真琴で、一瞬唇に...

「え...?えっ!真琴ー」
「なんだよ(笑)」
「何したよばかぁー」
「俺を好きにならなかった罰♡」
そう、キスされてた。
それだけ言って真琴は背を向けて歩きだした。

「ばかぁー!返せ私のファーストキス!」
「大好きな真季。バイバイ。」
振り返った真琴が笑顔なのに悲しそうな顔して言った。

なぜか涙が出てきて
「真琴?」
「うん...?」
「ありがとう。大好きな友達だよ!」
「友達かよ(笑)うん。元気でな」

そう言って二人歩きだす。

さようなら。
私の初恋、そして素敵な素敵な真琴。
真琴を好きになってたら、私は幸せで
未優みたいに送れてたかな?

素敵で苦い思い出。
ありがとう。


さあ、歩きだすかぁー!
明日はきっと素敵な恋が待ってる!!