緑涼は再び仮眠室に入ると、スーツからさっき着ていた黒の長袖Tシャツにジーンズという動きやすい服装に着替え、病室に戻る。

「ただいま(笑)」
「緑涼、お帰り~!」
「用事おわったべか?」
「終わったよ。疲れた~。」
「お疲れ様。」
「椿も大丈夫か?あっ、だいぶ顔色もよくなってきたな(笑)」
「うん♪もうめまいもないし、おなかも空いて来たよ(笑)」
「そっか、帰ったらみんなでいっぱいご飯食べるべ。」
「賛成!」
「俺、バーベキューがいいべや!」
「そろそろ冬も近いし、鍋とかどう?」
「いいね~何鍋がいい?」

緑涼には、こうやってみんなで笑いながら話をしている時間が一番幸せなのだ。なので、誰であっても馬鹿にしたりされるのが一番許せないのである。


それから約1週間後、椿は無事に退院。凛香に見送られながら、いつものキャンピングカーで病院を後にした。