「確かに意識ははっきりしているが、多くの被害者が出ている事故じゃ。事実確認をしないといけないところがあってな・・・すこし時間がかかるかもしれない。」
「事故?」
「あぁ。椿が飲んだ薬が製造過程で、入れてはいけない危険な毒が入ってしまっていた代物だったんじゃ。今、回収命令が出ているが、被害者続出中でな・・・。すまんがもう少し入院してくれ。」
「・・・わかった。」
椿の笑顔を見ると、凛香もほっとしたのか、眼をうるうるさせながら椿を見つめると「よくがんばったな、椿。」と言ってにこっと笑う。
凛香は緑涼の肩をちょっと叩き、外に出るように合図をだした。