「・・・ぅ・・・ここ・・・は?」 椿の視界には、雪のように白い天井とカーテンがぼんやり入ってきた。それからじわじわと右手に暖かさが伝わってくる。視線をその先に合わせると、椿の手を握りながらいすに座って眠っている緑涼の姿が。 椿の視界からぼんやり感がなくなるに連れて、目の下に黒いくまを作り、無精ひげ伸び放題で少しやせた緑涼の顔が眼に入る。疲れているのがはっきりわかる顔つきをしていた。