扇子を振っていたのは、月見と朱桜そして朱桜の仲間達だった。

椿達のことを知った正嗣と美佐子は、危険を承知で境界線まで向かおうとしていた。それを知った月見と朱桜は、自分達が椿達を助けに行くと名乗り出て、正嗣達を説得。月見が名案を思いつくとそのままの足で仲間達と一緒に、風を司る鴉天狗の頭と三途の川を始めすべての水を司る龍王に必死で頭を下げ、それぞれの家宝である大きな扇子を借りてきたのだ。


「うん。でも、助かるよね・・・椿ちゃん。」

「助かってもらわねぇとまじ困るんだけど(笑)」

「あたいらも姉さんと一緒っす。」
「おっさん達にも顔向けできないっすよ・・・。」
「そうだよね・・・さ、返しに行こう扇子。」

「そうだな。なんか礼の品物も何か買っていこうぜ。」

「さんせ~い!!」