その頃… 「あと少しだべ!」 火燐に引っ張られながら、椿は山道を登る。薄暗い緑の中をただひたすら進む。すると、椿の視界から急に薄暗い緑が消えた・・・ 「うわ~!!すごい!綺麗!!」 その空間は桜色に染まっていた。たくさんの桜の木が大輪の花を咲かせ、舞った花びらが地面を埋め尽くす・・・その空間に椿は見とれていた。 「椿ちゃん・・・。」 火燐は、椿から手を離し正面に立つ。そして、少し微笑みながらこう話した。