「俺と正嗣、美佐子ちゃんとは、この大学で出会ったんだ。ゼミも一緒だったし、よくみんなで飲みに行ったりしたよ。」
深山は、呆然とする椿達を尻目に昔話を語り始めた。
「昔、この学校にはすごく古い旧校舎があったんだ。学校は立ち入り禁止にしてたんだけど、“幽霊とかお化けとが出る”って噂があってね。俺が行こうぜって興味本位で正嗣と美佐子ちゃん誘って乗り込んだんだ。」
大学の同級生であった、正嗣と深山と美佐子。その話を深山は続ける。
「そしたらさ、その時、正嗣が一人で話し始めんの、いろいろ。それで正嗣の体質のこと知ったんだ。正嗣自身は、俺がこのことを知ったらなんかされるんじゃないかってビビッてたらしいけど(笑)」
少し笑いながらも、深山はさらに話を続けた。
「俺は、正直びっくりしたけど、正嗣と友達なのは変わらないし、それで変わるんだったら友達じゃないって言ったら、今までのこと全部話してくれた。それから、いろいろ相談できる仲になったんだ。卒業して、お互い大学に残って研究してる時にね、君達のことをよく相談されたんだ。だから、君達のことはよく知ってます(笑)」
それを聞いた緑涼が「すいません・・・いったい何を・・・相談してたんですか?」
と聞く。
「うん?確か・・・“緑涼の為に家庭菜園しようと思うんだ。どうやったら未経験の俺でも畑作れると思う?”とかあったな。その時は、農学部に乱入して自主的に勉強したけどな(笑)」
少し笑いながら、深山はそう答えた。
その質問には、緑涼は驚きながらもハハハと笑い出す。