(11・3 AM9:08)

「誰、あの人達?かっこよくない?」
「うんうん。かっこいいよね。」


「あの女の子マジかわいくねぇ?」
「俺、後で声かけてみようかな?」


広い大学の校内を歩く椿達に、学生達の視線が所狭しとやってくる。椿達は、その視線を諸共せずに事務局へと向かっていく。


「やっとついたべや(疲)」

「マジ広いし・・・。」


やっと事務局のある棟に到着。火燐と風燕は、息も絶え絶えな状態。それでも、学生達の視線が刺さってくるので緑涼と禮漸が肩を貸しながら、みんなで事務室に入っていった。


「あの、西沢さんいらっしゃいますか?」


椿は、事務室のカウンターで確認すると、事務室の奥に机を構える男が駆け寄ってきた。
見た目は40代ぐらいの少し小太りの男性といったところだ。


「お待ちしておりました。事務長の西沢です。」
「春河椿です。父がお世話になりました。」
「こちらこそ。後ろの皆さんは?」

西沢さんが緑涼の事を聞いてきた。すると「従兄弟の緑涼です。生前、正嗣がお世話になりました。」と緑涼は西沢さんに話す。その後に続くように禮漸達も自己紹介。


「そうでしたか。春河先生の遺品は、別の部屋に保管していますので私がご案内します。」

西沢さんの後を続くように、椿達もテクテクと事務室を後にした。