コンコン・・・


「正嗣さん・・・?」


美佐子がコーヒーを持ちながら、静かに書斎のドアを開ける。驚いた正嗣は、はっとすると同時にノートを閉じた。


「眠れないの?」


美佐子はそういいながら、マグカップに入ったホットミルクを渡す。


「うん。なんか眼が覚めちゃって・・・。」


受け取った正嗣は、ふーっとミルクに少し息をかけて口をつける。

「これ、何?」

「こ・・・これは・・・日記・・・」

「日記?つけてたの?」
「うん。内緒でね(笑)」
「見ちゃ、駄目?」

「だめ、絶対駄目(笑)」

「む~っ。」
「さ、これ飲んだら寝よう。明日は、椿達のところへ行くんだから。」
「うん。」

正嗣と美佐子は、マグカップを持ちながら書斎を後にした。デスクにノートを残して・・・