「殺さなくっていいんすか?緑涼さん。」


大きな石の下で、しゃがみながらキセルで一服する山賊風の鬼がそう問いかける。



「おらが先に釘を打っておいた。心配すんな、禮漸。」
「でも、あの人間・・・なんか手強そうすね。」
「そうか?そんな時は俺がぼこぼこにするまでだべや(笑)」


緑涼はそういうと、また大きな石の上に座り、背中に腰にぶら下げた袋から大きな握り飯を出して食べ始める。


旅館に戻った正嗣は、村人から資料の古書を借り、朝に聞いた村人の話を聞きながら、ノートパソコンで資料をまとめていく。



「人の強欲が原因で起こった争い・・・鬼が怒っても仕方ないことして・・・」



正嗣はそうつぶやきながら、資料を読み、お茶を飲んで休憩をする。



「明日も会えるといいな・・・」



そういいながら、またパソコンに向かって執筆をはじめた・・・