ある秋の晩


「美佐子、ごめんね。明日から、家、空けるね(笑)」


正嗣は職場から帰るとすぐに、寝室に飾られた美佐子の写真に話しかける。


「研究の関係でちょっと1週間、山に篭る事になっちゃった(笑)」


そういいながら、正嗣は美佐子の写真の前にお菓子を置いていく。


「お土産、必ず買ってくるから(笑)」


そういうと、そのまま風呂場へ行ってしまった・・・。


次の日の朝
正嗣は、美佐子の墓に行き、白いゆりの花を置く。



「じゃ、行ってきます。」



正嗣は、ボストンバックを持って墓地を後にした。