動き出した車の中で、火燐はそのとおりにプレゼントを渡していく。椿も後ろから伸びてきた火燐の手から箱を受け取る。
「あっ、これさっき選んだ本じゃん。」
風燕は、プレゼントを開けるとそういった。
「お前らが一番欲しかったものだろ?それは、俺からのプレゼントってことにさせてれ。なんていうのかな・・・う~ん・・・とにかくそれをプレゼントにする!俺からの気持ちってことで。」
緑涼がニコニコしながらそう話す。
「もしかして・・・。」椿は驚きながらプレゼントを開けると、あの卵形のオルゴールだった。
「あっ、これ火燐のだ!」
「本当に?じゃ交換。」
固まっている椿の後ろで、火燐と蓮流がプレゼント交換。その後ろの席で禮漸が、誰にも気づかれないようにさっと、その本を紙袋の中に隠し、風燕はニコニコしながらその本を読んでいた・・・。