「特に欲しい本だけにしてくれ、風燕!」
「了解。」
店中の本の中から、ランダムに取っては返す・・・その時の風燕の目は真剣そのもので、誰も近づけない。待っている間、緑涼達もお店の見学することに・・・
椿は、アンティークのオルゴールを眺めていた。卵形ですごく繊細なデザインが施されたオルゴール。
「かわいい・・・。」
とつぶやいていると「それ仕掛けがあるんですよ。流してみましょうか?」と店の主人が椿に話す。主人はおもむろにオルゴールを手に取るとそこのねじを回した。きれいな音楽が流れると、同時に卵形のオルゴールの先端が花のように開き始める。その中から現れたのはお姫様と楽器を持った動物たち。姫は中央でくるくると回り、周りの動物は楽器を吹いてるかのように身体を揺らす。
「かわいい~!!」
「でしょ?」
そんな、姿を緑涼と禮漸は少し遠くからニコニコしながら眺めていた。