ボウルにあふれるギリギリのところまで水を入れると、蓮流は人差し指を少し水につけ誰にも聞こえないくらいの声で何かを口ずさむ。すると、人差し指をつけたところから広がっていくように水が白くなり始め、やがて水は氷へと変化した。

「完成!じゃ、禮漸さんお願いします」
「へいよ。」

蓮流が指を氷から出すと、禮漸がキセルでその場所をポンっと叩く。すると、氷からコンッっと音がした数秒後に中心からひびが入り、やがて砕けた。



「すごい・・・。」



椿は、その神秘的な光景に目を奪われた。目の前にある山盛りの氷が出来るまでの工程に・・・。