(車内)

「じゃ、まずは美月さんの所だべな。」
「うん。」

緑涼はそういいながらシートベルトを装着。そのまま車を発進させる。


「お菓子!お菓子!早く食べたいべや!!」
「火燐な~!お菓子食べるけど、それが目的じゃないんだぞ!」
「わかってるべや(怒)」

椿は、そんな様子をニコニコしながら、ミラー越しに眺めていた。

窓の景色をきらきらした眼で見つめる蓮流と風燕。窓を開け、喚起をしながらキセルで一服する禮漸。ブスっとしながらいじける火燐とそれをなだめる運転席の緑涼・・・。

その様子を見ているだけで、椿はうれしかった。ただただうれしかった。