「な、椿。」


キッチンで晩御飯のカレーライスを作っていた椿に風燕が声をかける。

「何、いきなり。」

「いや・・・やっぱやめとくわ。」


結局何も言わず、キッチンを後にする風燕。その姿に椿は疑問を抱いていた。


その日の晩
風燕は、部屋でネットサーフィン。



「街ってどんなところなんだろう・・・。」



画面一杯に映し出されていたのは、都市の風景写真。人々が営んできた街並みの風景ばかりが風燕の視界に入ってくる。