「すいません。本日はもう・・・。」

そこには椿の姿はなく、オーナーの美月の姿しかなかった。

「あの・・・私、春河と申します。娘がこちらでお世話になっているようなのですが・・・?」
「もしかして、椿ちゃんのご家族の方ですか?」
「はい。娘がお世話になっています。」

美月に頭を下げた正嗣。美月は、椿が帰ってしまったことを説明。プライバシーのことがあるのでと身元確認もした。

数分後

美月はコーヒーを淹れ、正嗣の前に現れた。

「先ほどは失礼いたしました。オーナーの長谷川美月と申します。」

美月は、正嗣の前にコーヒーと砂糖とミルクを置くと、正嗣の前に座り「椿ちゃんが来てくれてうちは助かってますよ(笑)」と笑いながら正嗣に話す。

「そうですか。バイトとかそんなことさせたことなかったので心配で・・・。」

「大丈夫ですよ。すごく明るいし、働き者だし、来てくれるお客さんのことを見ながら動けることが出来る子だなって、こっちが感心しちゃいました。」

美月から出てくる椿の働く様子に、正嗣はほっとしていた。