それから数年後
大学を卒業する年の冬の晩・・・
正嗣は、大学の聖堂に美佐子を呼び出した。
美佐子が聖堂の重い扉を開けると、祭壇の前で正嗣が待っていた。
「どうしたの?」
美佐子は、そこに立っている正嗣の顔をのぞきながら問いかける。
「美佐子・・・。」
次の瞬間、正嗣はスーツの胸ポケットから小さな箱を取り出し、その箱を開けた・・・。
美佐子の視界に入ってきたのは、小さな石のついた指輪だった。
「これからも、ずっと・・・俺のそばにいてくれませんか?」
「はい。」
美佐子は、泣きながら正嗣に抱きつくと正嗣は美佐子を抱きしめた。
ステンドグラスに射し込んだ月の光が、彼らを照らしていた・・・。
それから、二人の会話は「結婚式」と「これからの住居」
ニコニコしながら、結婚情報誌を眺めることが日課のようになっていた。