「おぬしが、正嗣の恋人か?」

「春河君・・・この人は?」

「え・・・あ・・・」

「私は人ではない。」

凛香はそういうと、美佐子の右手を掴み、自分の頭の角を触らせた。


「私は鬼じゃ。」


美佐子は、驚きのあまり声を失った。


「私は、凛香。正嗣のことは、子どもの頃から知っておってな・・・。」


凛香は、美佐子の眼をじっと見ながら美佐子の心理状態を確かめていく。


「私達と接することが出来るが為に、他のものから忌み嫌われて続けて・・・それからは誰とも接しないと決めておったみたいだけどな。」


凛香は、微笑みながら美佐子にそういうと、美佐子の眼をさらにじっと見て・・・


「こやつ(←正嗣)は、本当は寂しがりやな奴でな。おぬしが一緒にいてくれることで、こやつも少し変わったんじゃ。ずっと一緒にいてやってくれないか、この同省もない小僧の傍に・・・。」


と、微笑みながら美佐子に伝えた。