正嗣は、ある日の放課後、美佐子に自分のことを打ち明ける為、学校近くの神社に連れて行った。
「東條さん・・・。」
複雑な顔をする正嗣に美佐子は少し微笑みながら「どうしたの?」と心配そうに尋ねる。
「俺、東條さんひとつだけ言ってないことがあるんだ。」
「何?」
「俺は・・・普通の人間じゃないんだ・・・妖怪とか幽霊とか見ることも出来るし、話すこともできるんだ。」
美佐子はそれを聞いた途端、くすくすと笑い始めた。
「本当に?ドッキリとかじゃないよね?」
「違うよ・・・本当のことなんだ。」
その瞬間、神社に強い風が吹き付けた。
美佐子が飛ばされないように、正嗣は必死に抱きしめる。
風が止むと、彼らの間に凛香が立っていた。いつもの姿で・・・