その日の晩、ベットの上でゆっくり本を読んでいると・・・
「なんか悩んでいるようじゃな、正嗣。」
と声をかけられた。開けていた窓の縁にスーツ姿の鬼・・・凛香が片膝立てて座っていた。
「その年なら・・・恋の悩みとかか?」
「ほっといてくれ。」
「図星のようじゃな(笑)」
真っ赤な顔になる正嗣をよそに、凛香はピンヒールを履いたまま部屋に入ってくる。正嗣はすぐに注意したが、凛香はいすに座ると、床につかないように両足を浮かせる。
「惚れたの腫れたの言って、傷ついて成長するものだと思うのだがな・・・それより、おぬしにもそんな時期が来るなんてな。そちが子どもの時から見ていた私にとっては・・・感慨深いものだな~(笑)」
「いいから!ほっといてくれよ!」
正嗣は、凛香にそういったが、凛香はそんな正嗣の姿を楽しむかのように笑って、遊んでいた。