「火燐さん、どうしたんですか?」

椿は、ドアのすぐ横で埃を払う火燐に声をかける。すると、火燐は少し困った顔で・・・

「埃が取れないべや(泣)」

といって、真っ黒な尻尾を椿に見せる。

「これはもうお風呂はいった方がいいかも(笑)」

椿は、汚れた尻尾の先を左手の上に乗せ、右手で撫でながらそう話す。

「そうだへか?」
「んだな(笑)」

彼らの光景を、ドアの隙間から見ていた緑涼が、顔を出しながら火燐に風呂に入るよう促した。

「じゃ、行ってくるべ。」

火燐はそういうと、そそくさと家のほうに向かって走っていった・・・。