「なに……って、藤くんを探しに来たんだってば」


「そ」


タクトくんは藤くんに、ニッコリ笑いかけてる。


「……へー。そうは見えないけど」


そう言って藤くんは、あたしとタクトくんを怪しむような目で見てくる。



「なんもナイって! 藤、早くしねーとキャンプファイヤー始まるから。

行こ、行こ」



タクトくんが藤くんの手を取ると、藤くんは後ろの方で立ちつくしてる、女の子をチラッと見る。


「……じゃ、そーいうことだから」



藤くんは、あたしたちに小声で、「来てくれて助かった……なんか、ずっと付きまとわれてて」


って、呟いてる。



……そうなんだ、振りきれなかっただけなんだね。