「キャーッ、なに!? あたし、言わないからっ!」



「ハハッ、わかったって。そんなにイヤがらなくても。

そういえば、さっきから藤の周りに女の子がたむろってたな。

葉月ちゃん、俺と一緒に藤を助けに行こうか」



「藤くんを……?」


「きっと今ごろ、こーんな顔して女の子の相手してるよ。

凛も入れてやって、4人でいつもみたいにバカやろー」



タクトくんはすっごく険しい顔をしたあと、いつもみたいに優しく笑った。






「アハハッ! いくらなんでも、その顔はヒドくない!?」


「そーかな。こんな顔もよくしてる」


そう言って、またしかめっ面顔をしてる。