あたしは黙って首を横に振った。




「ハハッ、やっぱ違うのか。残念だなー。

じゃあ、アイツか。俺らいつも一緒にいるもんね」



え。



タクトくんの言う、『アイツ』って……。









あたしが固まってると、タクトくんは目を細めてクスクスと笑った。



「白丸先輩より、藤がいいんだ?」


あぁ……やっぱり、バレてる……。


これ以上隠し通すのもムリな気がしてきて、あたしは素直に頷いた。



「絶対に……藤くんには、言わないでね」



「えーっ、なんで? 言った方が楽しいのに。ホラ、ちょうど今からキャンプファイヤー……」


そう言いながら、タクトくんはあたしの手をギュッと掴む。