なにも言いかえせないように、タクトくんはあたしの口を大きな手で完全に塞いでしまった。



タクトくんに引っ張られるままに、白丸先輩の元を去って、キャンプファイヤーが行われる方向へと連れていかれる。



しばらく歩いて白丸先輩の姿が見えなくなった頃に、タクトくんがやっとあたしを解放してくれた。



「もうっ、どういうつもり!?」



「愛の告白は、いつでも受けるよ? 俺も葉月ちゃんが……」



そう言いながら、タクトくんはワザとらしく唇を突きたてて、顔を近づけてくる。










「キャーッ、なんでそーなるのっ!?」



「アハハハッ、かわい~」



「からかわないでよっ……もぉ~」



「怒った顔も、かわいいよ」



ダメだ……全然、話にならないや……。