「お前って、恩知らずだよなー。今日のことだって、明日になればすっかり忘れ……」


「忘れない! 今日のことは、絶対忘れないもん」



「マジ? じゃあ、ちゃんと覚えとけよ」



藤くんはあたしのおでこをツンと指で軽く押すと、ニッと口の端に笑みを浮かべた。








あたしはその笑顔を見ただけで、もう失神しそう!



あ~、あたし……やっぱり、藤くんのことが好きかも……。



「あと少し、頑張って上るか。立てる?」



藤くんが先に立ちあがって、あたしに聞いてくる。



「うん、休んだから復活した! ありがとう」



「おう」