凛が優しいのと、情けないので涙が溢れてくる。


「ほら~、泣かないの! 行くよ、そーれ、いっちに! さんし!」


凛はかけ声をかけながら、あたしの背中を軽く押してくれる。


「それ……体操のかけ声みたい」



「なんでもいーの! ホラ、葉月も。いちに、さんし!」



明るい凛に助けられて、あたしにも笑顔が戻ってきた。






気持ちは軽くなったけど、相変わらず足は重い。


少しずつ上るけど、疲れきっていてかなりペースが落ち始めていた。