「キャッ! タクトと藤だぁ~。おーい、コッチコッチ!」



急に大きな声を出した凛を見て、後ろから上ってきているタクトくんと藤くんが驚いてる。








「お前ら遅っ!! もう中等部のヤツらも残り少ないぜ?」



タクトくんが笑いながらあたしたちを指差す。



「だってダルいんだもーん」



凛はあたしのせいで遅れてることを言わずに、うまくボかしてくれた。



藤くんに知られたら、鈍くさいヤツって思われるかな……。



あたしは恐る恐る藤くんの顔をチラ見した。