凛が立ちあがろうとしたから、あたしは残りの力を振りしぼって、全力でそれを阻止した。



「ダメダメ~っ! 翔くんが来たら……ややこしくなりそうだし」



「そーなの? 残念~っ」



凛はあたしがいつも翔くんから逃げてるのを知ってるくせに、呼ぶとか言うんだもん。



困っちゃうよ。








休憩してる間、中等部の子たちにどんどん抜かされていく。



「このままだと、あたしら最後かもね~……」



「先に行っていいよ? あたしゆっくり上るから」



「そんなこと言わないの~! 寂しいじゃん。一緒に行こうよ」



「凛……ありがと」