「ウソだってば」


今朝のやり取りを思いだしたら……地獄としか思えないよ。


強引にキスしようとしてきた翔くんのことを思いだす。


あたしはそのことを必死に忘れようと、頭をプルプルと横に振った。







「あー、翔がかわいそう。ホントにいい子なんだから。

白丸先輩に飽きたら、あの子のことも考えてあげてね」


「そんな……白丸先輩とは、まだ始まったばっかりだし」


「葉月はマジメだよねー。うん。そこがまたいいんだよね」


マジメとか、そういう問題じゃないような……。


そうは思うけど、とりあえずあたしは苦笑いをしていた。