「うん……いる……」



昨日、一方的に言われただけだけど。



今日会ったら、あの話はなかったことに……なんて、言われちゃう可能性も、ナイとはいえないんだけど。



そんなことを思いながら、とりあえず相槌をうった。



「じゃ、なおさらじゃん。ソイツのためにも、そういうことはハッキリ言うべきだろ」



そうだよね……。



もし、藤くんが来てくれなかったら、あたし……翔くんに、キスされてたかも……。







キスなんて、まだしたことないし、もしされてたら、それがあたしのファーストキスになってた。



ファーストキスは、ロマンチックな場所でしたいなとか、記念日にふたりっきりでしたいなとか、



ずっと思い描いてた夢があって……。



その相手が誰だとかは、考えたことなかったけど、付き合ってもない……しかも、好きでもない翔くんとするだなんて、論外なわけで。