「マジで?コイツとは、なんもない?」


翔くんはさっきとはうって変わって、子犬のような目であたしを見てくる。



「だから、ナイっつってんだろ」



とっさに藤くんが答えたことに対して、また翔くんが怒りだす。



「お前には聞いてねーし!」



「先輩に対して、なんつー口のきき方してんの?ウチらの領域でこれ以上勝手なことするなら……お仕置きするよ?」



今度はタクトくんが間に割って入ってきた。



しかも、言い方は柔らかいのに……顔が笑ってないっ!



極上に整ったその顔で無表情に言われると、すっごく怖いし、凄みがある!!



ビビったのはあたしだけじゃなかったみたいで、翔くんはなにも言わずに立ちさっていった。