ハッと顔を上げて目を開けると、目の前で藤くんが翔くんの両腕を掴んでいた。



「は?テメーこそ、なんなんだよ。俺らの邪魔すんな」



「邪魔者はお前だろーが。さっさと失せろ」



いつも冷静な藤くんの口調が、いつもよりかなり強くって、タクトくんや凛も少し驚いてるようだった。



そしてあたしも、そんな藤くんを見て、ドキドキしていた。







「お前こそ、葉月のなんなんだよ。口出しするってことは……お前も、葉月のこと狙ってんのか?」



翔くんは藤くんを思いっきりニラみ上げてる。



「なんでもかんでも、恋愛に結びつけんなよ。だからガキだっつってんだよ」



「なにっ!?」



藤くんに対抗しようと手を上げるけど、アッサリ藤くんにかわされてる。