藤くんからしたらなんてことないのか、キョトンとしてる。



……ドキドキしてるのは、あたしだけっ!?



この人……実は、他人をドキドキさせる天才なんじゃないの?



あたしがそんなことを考えてるなんて思ってもないみたいで、



小銭を手渡すと、藤くんはそのまま座席にもたれて、目を閉じてしまった。










あ~、びっくりした。



あたしはお金をお財布に入れたあと、ケータイも一緒にカバンの中にしまった。



……藤くんのあの様子だと、メールを見たとかはなさそーだよね。