「これ、昨日借りた金。ありがとな」



藤くんがあたしの肩越しに顔を寄せ、胸のあたりに手を突きだしてきた。



その手には、小銭が握られている。



「わぁっ!!」



昨日に引き続き、藤くんの距離があまりに近くて緊張したのと、



もしかしてメールを見られた!?っていう驚きで、思わず振りむきざまに叫んでしまった。



「げっ、耳の側でデカい声出すなって」



藤くんは、慌てて飛びのいてる。








「えーっ、だって、だって、藤くん……近すぎっ!!」



「あー……そう?ゴメンな。とりあえず、返すわ」