「なに……って、コッチのセリフ。なんもないとこで、つまずくって……お前って相当、運動神経ニブいな」



言ってることはキツいけど、とっさに助けてくれたことには感謝しなくちゃね。



「うん……運動苦手。支えてくれて、ありがとう」



あたしがお礼を言うと、藤くんは軽く口もとに笑みをこぼした。



……うわっ、藤くんが笑ってる!!



てっきり無愛想な返事が返ってくるかと思ってた。








「どーでもいいから、さっさと乗れよ」



藤くんに軽く背中を押され、あたしは急いでバスに飛びのった。